味覚を育てると言っても難しいことではありません。「甘い」「しょっぱい」「酸っぱい」「苦い」の4つの味が認識できればよいのです。
何かトレーニングを施さなければ味覚は育たないのでは?と思う方もいらっしゃると思いますが、わざわざ何かをするというよりは 「心がけ」 ではないでしょうか。
ある、興味深い研究結果があります。
東京医科歯科大学の研究グループが小学1年生から中学3年生までの349人を対象に行ったある調査(2012年)によると、基本となる4つの味覚のいずれかを認識できなかった子どもが全体の30%あまり占めたことが分かったそうです。
味覚を認識できなかった子どもの特徴は次の通りだったそうです。
①毎日ジュースを飲んでいる
②野菜の摂取が少ない
③ファストフードなどの加工食品を好む傾向がみられる
注意したいのが③。これは “濃い味付け” のものを好む傾向があるという意味でもあります。ファストフードや加工食品を習慣にしていなくとも、家庭での食事の味付けが濃ければ味覚の発達を妨げることにつながります。
どうでしょう?何かあてはまる事項はありませんでしたか?
①②③を習慣にしないよう心掛けるだけでも子どもたちの味覚を守ることができると思いませんか?
味覚が認識できなければどんどん味付けの濃いものを口にするようになり体の臓器に負担をかけ、生活習慣病を助長する可能性も高くなります。今からでも遅くないのでこの研究結果をもとにしたルールをご家庭でも実行してみてはいかがでしょうか。
ルール1… ジュースを飲むことを習慣にしない(果汁100%だろうが0%だろうが同じこと)
ルール2… 野菜を毎回食事に取り入れ、食べられるようにする
ルール3… ファーストフードなどの加工食品は、食べる頻度や量を考えるようにする
ルール4… 家庭での食事は薄味で
また、味覚を育てるには、舌にたくさんの経験を積ませなくてはなりません。
たくさんの種類の食べ物を食べたり、それらを比べてみたりして感じることを日ごろから心がけていれば、食べ物の良し悪しを判断したり味の加減を判断する能力が自然と身に着いてくることでしょう。(ご参考→「味覚が育たないとどうなる?」http://vegesta.jp/nutrition/1111/
物事の正しい判断ができる知識や経験がまだまだ少ない未来ある子どもたちのカラダは大人たちが守ってあげたいですね。